2013-01-29

上世屋の冬支度

報告者:迫 きよみ(NPO法人子育てを楽しむ会)

❤この交流を行った日
2012年10月24日~25日

❤行った人たち
宇治の子育てファミリー (メンバーの主な所属先はNPO法人子育てを楽しむ会)
http://www.ujikko.net/ujikosodate/

❤行ったところ
宮津の上世屋 http://www.pref.kyoto.jp/tango/tango-doboku/miryoku_seya.html
どなたかのサイトですがわかりやすいのでhttp://www.kyt-net.jp/~tangotankentai/kamiseya.htm

❤泊まったところ
合力の家 http://kamiseya.com/
合力の家の持ち主 井之本泰さん http://www.asahi.com/area/kyoto/articles/MTW20121009270140001.html

❤他お世話になった方々





井之本多恵子さん 坂田正美さん 植田友香理さん 島崎郁子さん
白石裕久さん 吉井ひさのさん(関東からわざわざ)小川友子さん
山形歩さん 小川貴美子さん
❤今回の交流が生まれた経過
こどもアートの加藤さんと今回の宇治側のコーディネート役の迫が、植田友香理さんが運営をされている スタジオ”き”で http://www.facebook.com/studio.ki
上世屋で、子どもたちが自然と出会えるいろいろな活動をされている 小山ゆみえさんの活動
 
セヤノコhttp://seyanoco.jimdo.com/ を教えていただいたことがきっかけでした。


では、交流の様子をお伝えしていきます。


この3連休の2日目早朝7時に大久保駅に集合!

スタッフや家族総勢30名で宮津市の上世屋(かみせや)にしゅっぱーつ!!

加藤さんは田舎暮らしに興味がある方で田舎で町おこしをされている人々と子育て支援をしている人達が繋がると何か起こせるのではないかと思いこのような企画をされました。

私もですが田舎のない人にとってこのような体験をできるのはとても貴重で
これから何をするのか親子ともにとても楽しみにして参加をしました。

<マイクロバスの中の子どもたち>朝から子どもたちのテンションはマックス。睡眠なしで到着。




途中休憩をはさみながら3時間半で 到着しました。








火鉢とあったかいお茶でまずはほっこり


2日間のスケジュールの説明が小山ゆみえさんよりありました

大人も興奮

のどかな風景

すすきがほしい・・・

子どもたちの様子。見つけた秋をお楽しみください
 



夕食のお野菜を収穫させていただきました。
 

だいこん・サトイモを子どもたちが洗いました
 

お昼御飯のお寿司とあかもずくのお味噌汁、おつけものをいただきました。
*チラシ寿司は、この地域の名物だそうです。ちょっと甘めのお寿司(私は好きです)
子どもたち、びっくりするほどよく食べました。

 食事を済ませた子どもたちは縁側へ・・・(縁側ってないですものね)


手作りの独楽

さあ、そろそろ雪囲いの作業。みんなで説明を聞きます。


結局大人たちで作業・・・(子どもたちは野菜洗いをしました)

これが雪囲い
ガラス窓や入口から雪が入り込まないように家のまわりをこのように丸太と竹で囲っていきます。
このあとトタンをこの上からかぶせて2,3メートルの雪に備えます


夕方までかかったけど・・・やった~~

夕食の準備の際に見せていただいた氷室


おやつは おかきとかりんとう(全部手作り)

この間写真はないのですが、みんなで分担して野菜をきり、洗い、焼き、たきました。
できた食事がこれ。全部、上世屋の地域でとれたもの
ほんとうに、本当においしかった・・・。
 

❤夜ご飯のあとは順番にお風呂に入る子ども達。初めての薪で炊いたお風呂に大興奮
❤大人は囲炉裏をかこんでのんびりおしゃべりや大人女子会
❤星を見に外に出て、すっごい星空に感動
❤子どもたちはテレビもない生活なんて全く気にしなくて、相撲をしたり、かるたをしたり、絵を描いたり、それぞれが自分の楽しみを
  見つけていたいました。
❤急に子どもたちが相談をして、踊りや歌やマジックや組み立て体操など、楽しい演芸会を開いてくれました
❤朝も早かったし、なんだか体をいっぱい動かしたので、子どもたちは9時には就寝。全員が一部屋で雑魚寝。
❤囲炉裏を囲んで大人たちの会話は続くけど・・・寝てしまった人も多数・・・
  (今回の参加目的が、囲炉裏でスルメをあぶっていっぱいいただくというパパもあり。目的達成)
さあ・・・2日目です。




5時に外に出て見るとまだ星空がオリオン座が手でつかめそうな近さで見えました

  上世屋の朝。この季節にこんなに天気がいいことって、本当に珍しいらしいそうです。
上世屋には20年ほど前には子どもたちが暮らしていました。
ここは、以前小学校があったところ。
今は、新しく建て替わって、休憩所となっています。
今回は、お手洗いや洗面などもこちらでお世話にもなりました。

井ノ本さんのヨガ教室(先生のお姿写っていなくてごめんなさい)
途中で朝日が昇ってきたので、しばし見とれて中断ということも・・・

ヨガから帰ったら、朝ご飯ができていました
近くの海のお魚のひものです
(そういえば、昨日さばいておられたような・・・一夜干し?)
七輪でやくと、ふっくらと焼けます
すべてこちらの地域でとれたものをいただきます
さて、荷物の整理、お布団の片付け、食器の片付け、おもちつきの用意
たくさんの仕事がありすぎて・・・大人は集中してお仕事・子どもたちはお散歩

やっぱりすすきが人気
土手も楽しい
滝を見に行きました

子どもたちは、なんでもやりたい・・・
お風呂たきも、かまどの火起こしも、なんでも 挑戦
写真には写りませんが、煙がいぶって、目が開けられません
さあ、まちにまったおもちつき

つきたい・・・食べたい・・・
いろいろな思いの子どもたちがここに集まります
一回目つけたおもちは、ものの3分ほどで平らげました
結局、手前から二人目のピンクの服を着た男のは、8個食べたそうです
彼は、おもちを食べた時の顔が二日間で一番良かったという・・・
大人には一口もおもちがあたりません・・・
ママたちは、おもちの丸め方を上世屋の方から学びながら少しずつ上達?
食事のあと、上世屋のお米や、手作りニンニク味噌などの販売コーナー
この時も子どもたちが自主的に店員さんになり、販売しました。
子どもたちってこんなに自主的だったのかしら?と思います。
もちろん、お世話になった「合力の家」にも感謝をこめてお掃除
雑巾がけも子どもたちにとっては遊び
枚数が足りなくて泣きだす子も・・・
とうとうお別れの時が・・・
一人ひとり、ちゃんとお礼の言葉が言えました
なんども上世屋の方がいわれる
「この季節にこんなに天気がいい日は珍しい」
天気にも恵まれ、本当に豊かな二日間をありがとうございました
バスのお迎えです
カメラの撮影もご苦労様でした
お世話になりました。
雪かきは絶対行きますね

参加者した大人のfvb感想より(抜粋)

<イベントに参加しようと思ったきっかけは?>

・自然の中でしぜんに遊べる子に育てたいと思っていた為、絶好の機会と思い参加

・私自身が田舎暮らしに興味があったのと子ども達に体験をさせてみたかったので

・昔ながらの生活を親子ともに体感したかったから。

上世屋についての感想>

・テレビで見たことのある或るいは車で通りすぎたことのある風景だった所の中に入り体で感じる事が出来たことに、とても感動しました。

・星がとてもきれいだった(満点の星空、手が届きそう)

・昔ながらで理想の世界だと思いました。

・顔が見えて共に生活しているというのが良く分かり、こうやって体験に来るだけでは地元で住む大変さや苦労は本当の所分からないんだろうなと思いました。でもこのように暮らすという事の大切さにも気づけたと思います。

・人があたたかく、とてもきれいな村でした。またお米やお野菜がすべて美味しかった。

・こんなに身近に昔の日本の生活を続けている方々がいることに驚きました

・田んぼや畑が広がり日本らしい風景がとても良かったです

・のどかで穏やか(そのような時期にうかがわせてもらったので)その半面

きびしさを受けて立つ懐の深さを感じた

・棚田を見たことがなかったので感激しました!!

今では少なくなった風景ですが数十年前までは日本各地で見られた風景

だったのでしょうね。いつまでも消えないで欲しいと願います。

<こどもたちの様子を教えてください>

・何もかもにはしゃいでいた。普段の生活とはまったく違ってテレビが見たいゲームがしたいと言わなかった。

・解放感に満ちあふれ元気に過ごせた。異年齢の子が集まった中、自然に仲良くなり下の子の面倒をみられる姿がほほえましかった。

・純粋に楽しんでいました。普段からテレビやゲームばかりの生活なので何もない状況をどうするのかと思っていたが友達がいれば考えて遊べるのだということが改めて分かりました。

・楽しそうだった。普段いろんな音や(テレビとか)映像に慣れているし自然の多い環境で遊んでいる姿が楽しそうでした。今うちの子は3歳なのでもう少し大きくなったらお手伝いが色々出来るかなと思いました。

・柿の木、すすきに惹かれたらしくあんなところに住んでみたいと言っていました

・のびのびと過ごすことができたようです。民家にとても興味をもって2階に登ったりかまどに火をくべたりすることを楽しんでいました

・私の父の住む高知の方が実はかなり田舎で…だからいつものように、のびのび遊んでいたと思います。たくさんの兄弟が増えたみたいで楽しそうでした

・「何が楽しかった?」と聞いたら「全部!!」と言っていました。テレビや本で見たことはあっても実際に見るのは初めて(囲炉裏やもちつきなど)実家が農家ですが畑に行ったことも野菜を収穫したこともありませんでした。貴重な体験をさせてもらって本当にありがたく思います。いつまでも忘れないでいてほしいです。

<振り返って一言>

・1泊なので「わくわくどきどき」で終わったが生活するとなると、やっていける自信はないなぁと思いました。

・囲炉裏の煙たさと寒さには参りました。でも1人でも多くの人に経験してほしいと思いました。

・世屋地域でしかできなこと(普段の生活ではできないこと)雪囲い、風呂焚きなど。子どもを追いかけることに精一杯だったので体験できないこともありましたが、その分子どもと向き合い村を歩きまわることができ親子関係を作る上ですごくいい環境でした。

・初めて経験することばかりで最初はどのようにしたら良いのかばかりを考えていたが自分に出来る役割を見出して、それぞれが協力して生活をすることの大切さとコミュニュケーションを取り互いを思いやる気持ちを大切にする時間が持てたことが嬉しく思えました。

・炊飯器にガスにテレビに洗濯機に食洗器にパソコンに…数え切れない程の電化製品、便利なものに囲まれすぎた私達。私自身当たり前に思っていたまわりの便利な物たち。
 これがあるがゆえに本来の生きる力を失ってしまった部分も多いのかな?と感じる。
 今の生活にはもちろん必要なものもあるけど、この2日間で体験したような地に足をつけ
  て生活するという感覚を味わえたので今の生活を見直すきっかけとなった。

・便利な生活に慣れているので毎日昔のような生活をすることは難しいですが当たり前の生活を見直す良いきっかけとなりました。

・私自身も気持ちをゆったりとして過ごすことが出来ました。雪囲いのお手伝いや餅つきなども面白かったです。何よりも上世屋でお世話になった方々の気持ちがあたたかかったです。

・個人的には年に1度しか会えない田舎の母と一緒に台所仕事が出来たみたいで(マミィさん、たえこさん、郁子さんありがとう!!)癒されました。

・下の子がぐずったり体調がすぐれなかったりしてお手伝いができなかったことを申し訳なく思っていました。私の実家も20年くらい前まではお風呂も薪を燃やして沸かしていました。お風呂を沸かしていた祖父のことを懐かしく思い出しました。

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まだまだ他にもたくさんの感想をいただいたのですが、
さて、今回の事業の目的は「地域力を再生していくための中間支援事業」でした。

私は、今回の交流事業を「子育てを支援をしているNPO」だからこそ、受けさせていただきました。

日本全体かもしれないのですが、限界集落があり、人の暮らしがなくなってしまった村もたくさんあります。
そして、まちにはまちの、いろいろな暮らしがあり、親たちも、子どもたちも、隣に、下の階に音が、声が聞こえないように暮らしている人もたくさんいます。

「こうあらねばならない」「これができないとあとで困る」という、こうあらねばならないものにがんじがらめになって暮らしている人がとっても多いのです。

私にはまだ明確に伝えられる言葉は見つかりませんが、旅行に行って自然を感じて帰ってくるだけではなく、ほんの一部かもしれないのですが、「暮らし」を深くお聞きする機会を持つことができたことは、

子育ての支援をこれからも続けていく私にとっては、大きな価値がありました。

「暮らし方」の視点の幅が広がったことで、ママたちへのサポートにも広がりを持つことができるのではないかということです。

実は、昨日、雪かきをしに、再度上世屋に行きました。

そこで、昼食を「自給自足」というペンションでいただきました。

そこのかたが「“自給自足”といっても、全部自分で作っているわけではないんですよ。
お米は○○さん。こんにゃくは○○さん。お野菜も物々交換するんですよ。この地域で“自給自足」しています。でないと、全部作っていたら疲れるしね」ということでした。

学ぶこと・・・それは、力を合わすということ。
その中には、いくらかは、「めんどうくさい」こともあると思う。
けれども、日ごろの付き合いがないと、いざという時に助け合ったりなどできないと思う。

今、その「めんどうくささ」を引き受けながらも、田舎に住もうと思っている若い人が増えてきているということも今回見えてきたことです。

その時、すべてを「田舎の暮らし」にあわせるのではなく、新しい風もまたよしと、田舎の方もその風を引き受けて、新しい合力による文化がうまれていけば、いろいろな暮らし方の選択ができ、

子どもたちにとってもいろいろな選択肢ができるのではないかと思いました。

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おまけ・・・雪囲いはこんな感じ・・・今年は雪が少ないそうですが、それでもやっぱりないと困るみたいです。
で、心配していた出入り口は、こんな感じに・・・



お昼をいただいた自給自足のペンションのワンちゃん…柴犬だそうですが、毛がふさふさ
雪の中、ころころと駆け回っていてとても元気です。
お迎えと見送りはワンちゃんのお仕事?



今回の雪かきツアーは、上世屋の、別の企画事業でしたが、
子どもも一緒に行ってよいということで、
今回、南山城村に出かけたどろんこさん。綾部に出かけたわっかの会さん
そして、NPO法人子育てを楽しむ会からも参加をして、雪かきをしました。
子どもたちもいたので、ゆっくりスケジュールになってしまい、
たった2時間の雪かき作業になってしまいましたが、それでも、できた方がいいそうです。
今回雪かきをさせていただいたおうちは、独居の方ですが、
今はお体の加減で息子さんのところにお住まいだそうです。
少しでも雪をかいておくと、春の雪解けがはやいんだそうです。



今度は田植えかな・・・まちと町との連携とかじゃなくて
こうして、「この村が好き」というファンクラブがあってもいいのかなと思いました。











2013-01-24

地域紹介・・・・・・・宮津市養老地域
















「京都に海があったんだ??」なんて言われることもありますが・・・
京都府北部、天橋立近く養老(ようろう)地域の海です。
宮津湾はブナ林もある山の森からの栄養が注ぐ豊かな、キレイな海です。













201204@里波見)

 養老地区は、9集落から成ります。
里波見(はみ)・中波見・梅ケ谷・奥波見・長江・岩ケ鼻・大島・外垣(とのがき)・田原。
海沿いの村も山あいの村もあります。
人口は424世帯1058人。

海も山もある暮らし、祭りや地域行事もにぎやかで、あたたかく迎えてくれる地域です。

学校は、海沿いに養老保育所・養老小学校・養老中学校。
養老地域と日ケ谷地域の子どもが通っています。

海沿いの学校なんでもちろんプールなんてありません!
海での遠泳、魚捌き方の授業があるんです。
 春には川の河口部で待ち受ける「イサザ採り」は昔から子どもの遊び。

小学校の生徒数は42名、2年生はゼロ。改めて数字を聞くと、年々減っているのを実感します。
中学校のクラブも、男の子は野球部、女の子はバレー部と決まっています。
3年生の引退後、試合に出れないこともあります。

「子どもがかわいそう」
人数の少なさからそんな声も聞こえるし、更なる学校統合の話が出ているのも確かです。

しかし今回集落調査で聞き取りをさせていただいたお母さん達からは
「養老は子育てにはいいほうだと思う」という声が聞けました。

地域住民が、地域の学校を支える当たり前さ。
人数が少ないからこそなのか、目の行き届いた学習指導。
子育てを支えてくれる大人が近くにいること。
そんな地域コミュニティがきちんとあるからこその環境があるのだと思いました。


私は他所からの人間です。
学生だった私が初めて丹後に出会ったのはこの養老地域でした。
うまく言えませんが、「フツー」にある暮らしが養老の魅力です。
大好きな養老地域がこれからも、にぎやかに続くことを願っています。


ちなみに、今はアカモクが採れ始め、春に向けて海藻の季節です。 
3月に柴洋さんで行うイベントにも持っていきます!乞うご期待!!!














(201204ワカメ)


セヤノコ 小山ゆみえ